FXはこちらがお薦め Rorshachの物置: 時計じかけのオレンジ。

2010/07/26

時計じかけのオレンジ。

どうも皆さんボンジュール。

電車を乗り間違えて上野まで行ってしまったKroenenです。

駅から見たんですが、夜の国立科学博物館は怖いですね。

マッコウクジラにミサイル。それに西郷どん(見えませんでしたが)。

と言うことで今日は映画の話です。前回あげた映画ではありませんが、監督は同じです。

以下ネタバレ注意。

今日はスタンリー・キューブリック作「時計じかけのオレンジ」です。

彼はほかに「ロリータ」「2001年宇宙の旅」「シャイニング」「アイズ・ワイド・シャット(日本語で"目をパッチリと閉じる"という意味)」などを手がけています。

そして私が一番好きな作品名は「博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか」ですね。何言ってるかわからない所が好きですね。

では、「時計じかけのオレンジ」のあらすじを。

*本編では、ロシア語と英語のスラングで組み合わされた「ナッドサット言葉」が使われているため、
一部主でもわからない所があります。その辺はご了承ください。


クラシック音楽・ベートーベンをこよなく愛する15歳のアレックスをリーダーとする少年4人組"ドルーグ"は、ドラッグ入りミルク"ミルク・プラス"を飲みながら、いつものように夜の世界での暴力行為"ウルトラヴァイオレンス"の計画を立てていた。
アレックスたちは酔って寝ていたホームレスを棍棒でめった打ちにする。そして、他の不良グループ(ビリーボーイズ)は"デボチカ"少女を"フィリー"強姦すべく、廃墟に連れ込む。そこへ見計らったかのようにアレックスたちが現れ、全員を棍棒で叩きのめす。
その後盗んだ車で郊外へ走り、事故を装い親切心から扉を開いた作家宅にマスクを被って押し入り『雨に唄えば』を歌いながら暴れ、作家の妻を輪姦した。
その後、リーダーをめぐって仲間とちょっとしたいざこざが起きるが、その夜仲間と共に金持ちが住む一軒家へ強盗しに出かける。アレックスは男性器をかたどったオブジェで老婦人を"トルチョック"し撲殺した後、仲間から裏切られて彼だけが警察に逮捕され、懲役14年の実刑判決が下った。

収監されてから2年。牧師と仲良くなるくらい模範囚を装っていたアレックスは、内務大臣に犯罪歴から野心を気に入られ、「ルドヴィコ療法(the Ludovico technique)」の被験者となることと引き換えに刑期の短縮の機会を得る。

治療のためアレックスは施設に移送された。治療の実施は被験者に投薬を行った上で拘束服で椅子に縛り付け、"リドロック"のクリップで見開いた状態にまぶたを固定し、眼球に目薬を差されながら残虐描写に満ち満ちた映像をただじっと鑑賞しつづけるというものだった。投薬によって引き起こされる吐き気や嫌悪感と、鑑賞中の暴力的映像を被験者が「関連付け」する事で、暴力や性行為に生理的拒絶反応を引き起こす様にするのである。映像のBGMに使われていたのは、偶然にも彼が好んで聴いていたベートーヴェンの第九であった。これによりアレックスは、最も敬愛する第九を聴くと、吐き気に襲われ倒れてしまう。

治療は成功し、以後彼は性行為や暴力行為に及ぼうとすると吐き気を催すほどの嫌悪感を覚え、何もできなくなってしまう。そして出所前に催されたデモンストレーションは医師たちの立会いのもと、政府高官や関係者の前で治療の効果が証明された。一同が生まれ変わったアレックスを目の当たりにし喜ぶなか、刑務所でアレックスと親しかった教戒師は彼が行っているのは苦痛からの逃避であり、自ら選択して行った善(暴力の拒否)ではないことを指摘する。アレックスは、暴力に対して無防備となりそれに抗う事を選択する能力のない存在となった。それはまるで中身が機械でできている人間、『時計じかけの"オレンジ"』(これが題名になってますね)のようである。

彼は暴力に対して無抵抗な人となって出所する。驚かそうと連絡せずに帰宅すると、両親はアレックスと風貌の似た男に彼の部屋を貸して親子同然の関係を築いており、居場所なく家を出る。途方に暮れているとホームレスの老人が"カッター銭"を求めて来た。自分の境遇に通ずるものを感じポケットから出して与えると、以前リンチした老人だった。老人はまるで死人でもみるかのような驚きの表情となり、人相を確認し始めた。アレックスは追われ逃げ出したが、他のホームレス老人にも囲まれ、反抗しようとするが暴力に対し抵抗できないためリンチされるがままになる。この異変に気付いてやって来たのは、警官に就職したかつての仲間やビリーボーイズたちであった。警官たちはアレックスを人目のない郊外に車で連れ出すと、容赦のない暴力を浴びせて放置する。 惨憺たる様態で冷たい夜の雨の中をさまよったアレックスは、それとは知らず以前襲った作家の家に助けを求める。見知らぬ筋肉質の男に抱きかかえられ中に入れられると、見覚えのある車椅子生活を送る作家の前に出た。婦人はアレックス達による強姦が原因ですでに死亡しており、屈強な筋肉質の男は世話係だった。人道主義的信条にあるこの作家は、被害者となった妻の死は、暴力事件を生み出した社会にあると考え、政権打倒に憑かれていた。

作家はアレックスが受けたルドヴィコ療法を新聞で知っており、悪政の横暴が施した治療の実態に大きなショックを受けていた。そして、目の前に現れた彼を利用する事で政権にダメージを与えることを思い付く。作家は入浴を勧め、アレックスが入浴している間に電話で要人と熱心に打ち合わせをする。風呂に浸かって安堵したアレックスは『雨に唄えば』を歌い始める。作家はこの歌声を以前どこで聴いたかと考えた。そして、かつて自分達夫婦を襲ったマスクの少年が彼であると気付くと、我を忘れるほどの激しい憎悪が湧き上がる。

入浴を終えると食事にありつくが、作家の様子に違和感を覚えた。要人が到着しアレックスは治療の詳細な質問に応じる。「第九」を聞くと死にたくなるということを聞き出したところで、アレックスはワインに入れられた薬物により意識を失う。意識を取り戻すとアレックスは高い階の部屋に監禁されており、大音量の「第九」を聞かされる。アレックスは激しい嘔吐感に襲われ、死ぬつもりで窓から飛び降りる。暴力に対して過剰な嫌悪反応を植え付けられたが自己に対する暴力の手段が残っていた。自殺に追い込みメディアを利用して政府打倒を目論む作家の企てであったが、彼は死ななかった。

アレックスが目覚めると、ギプスと包帯姿で病院のベッドに横たわっていた。体がすこし回復したとき、精神科医が現れて、絵のシチュエーションに相応したセリフを答えるテストを始めるが、もはや受け答えに性行為や暴力行為への抵抗は無くなっており、精神科医もそれを喜んでいるようだった。

特別な個室に移されたある日、ルドヴィコ治療実施をアレックスに決めた内務大臣が訪れ、治療が原因の自殺未遂事件で下がった政府の支持率を回復するため、世間に対し今度はルドヴィコ治療から完治したデモンストレーションをして欲しい、と言葉を濁しながら頼む。アレックスは野心的に快諾すると、大臣は友好の証としてプレゼントがあると応じた。すると、待機していた2台の大きなスピーカーと大勢のカメラマンが部屋に雪崩れ込み、仲睦まじそうに手を取り合う両人の撮影を始める。大音量で鳴り響く「第九」のなかでアレックスはセックスシーンを思い描きながら恍惚の表情を浮かべるが、それは以前の邪悪な顔付きそのものであった。

彼は回復した。

というないようですね。
(ちなみにアレックス役の人はルドヴィコ療法で、失明しかけたそうです。)

これは社会批判・暴力社会・弱者の扱い、これらを描いた風刺映画です。

僕はこれを見て、少しつらくなりました。

これが社会の現状。あの実験は画期的だと思っていましたが、作家の登場でそんなことはないと思い知らされました。

いくら暴力がすぎるからって、他の暴力に対抗できなくしてしまっては本末転倒というもの。

特に性行為は子孫を残す"本能"的行為であり、本能を封じるのはまずい。

そう思いました。

というわけで皆さんも夏休みに「時計じかけのオレンジ」をぜひ見てみてください。

ただセックスシーンがあるので、親子で見るのはあまりお勧めできません。

ということで、アデュ~。

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